遺留分侵害額請求

目次

遺留分とは

遺留分(いりゅうぶん)とは、兄弟姉妹以外の法定相続人が、最低限の遺産を貰える権利のことをいいます。

遺留分は、特定の相続人に財産を遺すという遺言がある場合にでも、受け取る権利が認められています。
つまり、遺留分は法定相続人の法的な権利であり、遺言の内容に関係なく請求することが可能です。

そのため、特定の相続人に対する取得割合が多い遺言書がある場合や、故人が多額の生前贈与をしていた場合などに問題となります。

遺留分侵害額請求の流れ

遺留分が認められる相続人が、その分の遺産を取得していない場合に、遺留分を渡すようにと求めることができます(遺留分侵害額請求権)。

遺留分侵害額請求は、計算や法的プロセスが複雑であり、具体的なケースによって流れが異なることがありますので、専門家のアドバイスを受けることが非常に重要です。

弁護士に相談した場合の具体的な流れは次のとおりです。

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弁護士への相談

具体的なケースに応じて、請求が妥当かどうかを判断します。

そして、遺留分侵害(請求できる金額)が確認された場合、遺留分侵害額を計算し、請求を実行するための戦略を立てます。

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請求の準備

相続人間のご事情を伺ったうえで、遺留分侵害額請求のための必要な書類や証拠を収集します。

これらの証拠には、故人の財産の評価、侵害行為の証拠、関連する法的文書などが含まれます。

ただし、ご依頼者様に申請していただく方がスムーズな資料もありますので、個別に相談させていただくことになります。

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相手への請求

遺留分侵害請求権は、何もしなくても自然に発生するものではありません。

そのため、遺言等により財産を相続した者に対して、遺留分侵害請求権を請求するという意思表示をする必要があります。

請求方法としては、内容証明等によって請求し交渉を開始する場合や、裁判所に書面を提出して協議を進める場合があります。

遺留分の割合と計算方法

遺留分を請求できる相続人は、故人の配偶者、子、直系尊属(父母や、父母が先に亡くなっている場合は祖父母)です。

遺留分として請求できる割合は、配偶者と子については、法定相続分の2分の1、直系尊属については法定相続分の3分の1の額と定められています。

時効はある?

遺留分侵害額請求権は、相続開始の事実と自分の遺留分が侵害されていることを知った日から1年です。

あるいは、これらを知らなくても、相続開始の日から10年を過ぎるまでに遺留分侵害請求権を行使しなければ、時効で消滅してしまいますので、ご注意ください。

兄弟・姉妹間で請求はできる?

兄弟姉妹間での遺留分侵害額請求は認められていません。

遺留分を請求できる相続人は、故人の配偶者、子、直系尊属(父母や、父母が先に亡くなっている場合は祖父母)です。

遺留分侵害額請求を弁護士に相談すべき理由

計算や進め方が複雑な

遺留分侵害額請求は、計算や法的プロセスが複雑であり、具体的なケースによって効果的な流れが異なります。

そのため、法的知識と専門知識を有し、遺留分侵害に関する法的プロセスや判例を理解している弁護士に相談することによって、最適な戦略を立てることができ、かつ、適切なタイミングで相手に請求できるといったメリットがあります。

迅速で正確な証拠収集

また、遺留分侵害請求をする際には、請求に関連する文書を作成し、かつ、必要な証拠を収集する必要がありますが、弁護士に依頼することにより、適切な文書の作成と迅速な証拠の収集および整理を実現することが可能となります。

さらに、相続人間では話をすることが困難な場合でも、弁護士がご依頼者様側に立って話し合いを進めていくことが可能となります。仮に調停や訴訟となった場合には、より専門的な知識が必要となりますが、ご依頼者様の言い分を法的根拠に基づき主張することが可能となります。
 また何よりも、遺留分侵害請求は感情的にストレスがかかる事項ですので、弁護士に依頼することにより、安心感を得て、感情的な負担を大きく軽減することができます。

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